トレールバイクの特徴
トレールバイクの「トレール」とは、英語の「trail」のことで、山中の小道や原野などの踏みならされてできた道を意味します。
つまり、そういう整備されていない道を走るのに適したバイクがトレールバイクの特徴です。
それではオフロードバイクと同じではないかと思われる方もいるでしょう。
実際、トレールバイクとオフロードバイクを同義語のように使う人もいます。
トレールバイクとあえて言う時は、オフロードを走るのに適していながら公道でも走行可能なマシンを指すことが多いです。
ちなみに、モトクロッサーもトレールバイクと似たタイプのバイクです。
ただしモトクロッサーとはその名のとおりモトクロスに特化したマシンであり、公道を走るための装備を持っていません。
ライトやミラー、キーもなく、ナンバープレートもないわけで、公道で走行することができないところが大きく違います。
そんな区別の仕方がありますが、最近ではトレールバイクという呼称自体あまり使われなくなっています。
トレールでは一般の人に伝わりにくいのも理由の一つでしょう。
ですので、公道を走れるオフロードバイクのことをトレールバイクと呼ぶとだけ覚えておけばよいでしょう。
トレールバイクの歴史
トレールバイクの歴史は1960年代に遡ります。
具体的には、ヤマハから1968年に発売された「トレール250DT-1」がトレールバイクの第1号です。
トレール250DT-1の開発は、当時のアメリカでの需要がきっかけでした。
アメリカのコロラド州デンバーのセールスマンから、当地では野山や草原を走り回れるようなバイクが人気だからそんなモデルを作ってはどうだろうか、とヤマハに話があったそうです。
そこでヤマハは、1967年にモトクロス日本グランプリで活躍した「YX26」というモトクロッサーをベースに、公道を走ることのできる量産車を開発することになったのです。
その結果がトレール250DT-1であり、これはアメリカで大きな人気を博しました。
日本国内でもトレール250DT-1は1968年に発売されました。
これまでにない新しいタイプのバイクとして大いに話題になり、トレールバイクというジャンルに注目が集まるようになったのです。
それ以降はヤマハだけでなくさまざまなメーカーがトレールバイクを開発、製造販売しています。
トレールバイクの人気車種
トレールバイクで人気なのは、この分野のパイオニアであるヤマハが製造販売する「セロー250」です。
本格的なオフロードには不向きですが、この種のバイクとしてはシートが低いため、トレールバイクに乗ったことがない人でも乗りやすいというメリットがあります。
低速でも高速道路でも扱いやすく、初めてのトレールバイクとして人気です。