暴走族仕様のバイクはカスタムの一種
日本で暴走族というと、深夜に爆音をまき散らしながら集団で走行して他人に迷惑をかけるというイメージがあり、決してそれは良いイメージとは言えません。
暴走族を卒業して社会人になってからも旧車會と呼ばれるグループを作り、脅迫や暴力行為などで他人に迷惑をかける行為がたびたび問題となっています。
そんな暴走族が乗っているバイクは暴走族仕様にカスタムされたものが多く、中には車検には通らない違法カスタムなどもあります。
そうした点からも、日本国内においては暴走族のみならず暴走族仕様にカスタムされたバイクに対してマイナスのイメージを持つ人が多いのです。
しかし海外では、暴走族仕様のバイクはBOUSOUZOKUスタイルとして、カスタムの一種という位置づけとなっています。
BOUSOUZOKUスタイルは、暴走族仕様にカスタムされているバイクに加えて、走行する際のファッション、そして集団で目立つような走行をするという行為などもすべて含まれています。
日本とは様々な点で基準や合法性、人々の価値観が多様な海外では、暴走族が悪いわけではなく、暴走族はライフスタイルの一つであると考えているわけです。
どのようなライフスタイルでも、そこには良い人がいる一方で、悪い人もいると考えます。
確かに、偏見を持たずに広い視野で見れば、暴走族のファッションやバイクの外観は確かにユニークでオリジナリティがあります。
迷惑行為をするということを除けば、暴走族のファッションをしたり暴走族仕様のバイクに乗ること自体は、決して悪いこととは言えないでしょう。
暴走族スペックは日本独特のテイスト
海外で暴走族仕様のバイクがBOUSOUZOKUとして広く受け入れられている理由は、いくつかあります。
1つ目の理由は、暴走族テイストが日本独特のもので、欧米には少ないという点が挙げられます。
例えば日章旗を彷彿させるようなデザインは、確かに欧米諸国ではカスタムパーツとしても見つけることは難しいでしょう。
その他にも、高さのある月光カウルをはじめ、竹やりマフラーなどは日本文化が生み出した独特のテイストを感じさせます。
こうしたテイストが、欧米諸国のライダーにとっては、珍しくてカッコいいのです。
特に東洋の文化に神秘性を感じているライダーにとっては、自身のバイクもBOUSOUZOKU仕様にしたいと思うのかもしれません。
2つ目の理由は、海外では自己顕示欲が日本人よりも強い人が多いという点が挙げられます。
他人と同じであることに安心感を覚える価値観がある日本と比較すると、他人と違う事が素晴らしいことで、多様性のある価値観を評価する文化的な基盤を持つ国では、自己顕示欲をアピールできるBOUSOUZOKU仕様のバイクは高い人気があります。