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チェーン調整のコツ

By | 2022年5月26日

張りすぎはNGのバイクのドライブチェーン

バイクのドライブチェーンを良い状態で長く使うには、洗浄と注油が必要です。
そのことは多くの人が理解していますが、意外とおろそかになっているのが、チェーンのたわみではないでしょうか。
チェーンのたわみとは、スプロケット(歯車)をつなぐチェーンを真ん中あたりで動かした時の遊びのことです。

自転車のチェーンだとピンと張っているイメージがありますが、バイクでは適度に遊びのある状態、つまり、たわみが必要なことを覚えておきましょう。
というのも、バイクにはリアサスペンションがあります。
バイクの場合、チェーンがつなぐのはリアタイヤとそれにセットされたスプロケット(ドリブンスプロケット)、そしてエンジンにセットされたスプロケット(ドライブスプロケット)です。

自転車の場合、バイクのような外付けの変速機がありませんから、二つのスプロケットの中心が同じ高さに位置しています。
一方バイクの場合、ドライブスプロケットは、スイングアームとフレームをつなぐシャフト(ピボットシャフト)より前にあることが多いです。
すると、リアサスペンションが伸び縮みしてタイヤが同じ上下に動いた時、チェーンの軌道とドリブンスプロケットがずれてしまいます。
そのずれを解消するために、チェーンには適度なたわみが必要なのです。

チェーンがどの程度たわんでいるのがベストな状態なのかは、バイクによって違います。
たいていは取扱説明書やメーカーのホームページに記載があるでしょう。
もし見つからないとしても、張りすぎにだけはならないようにしてください。

フルボトム状態でもチェーンにたわみがあるのが目安

バイクのリアサスペンションは、走行中に縮んだり伸びたりします。
どの程度縮むかはその時の走行状態や乗っているライダーの体重によって違いますが、サスペンションが縮むとそれにつれてチェーンが引っ張られ、たわみが少なくなるのは事実です。

ですので、チェーンが最も引っ張られるその時、つまりサスペンションが最も縮んだ時(フルボトム状態)でも、チェーンが引っ張られすぎないようにしておく必要があります。
要は、フルボトム状態でもたわみがあるようにチェーンを調整しておかなければならないということです。

たわみが足りないと

もしたわみが足りずにサスペンションが縮んだ時にチェーンが突っ張ってしまうようなことがあると、走行中にチェーンが切れてしまうことも大いに考えられます。
切れるほどではなくても、チェーンに大きな負担がかかるのは確実です。
そのため、摩耗が進み、通常よりも早くに寿命を迎えてしまうことが考えられます。

そんなことのないように、チェーンのたわみは常に適切に保つようにしましょう。
適切なたわみがわからない時は専門家に見てもらってください。